センタースピーカーは必要なのか? 〜勝手なオーディオ論6〜
注:最初に書いておきますが、
「リビング程度からそれ以下の空間で、専用部屋でも無い場合」
を、基本で書いております。
センタースピーカーは、前側の中心に置くスピーカーです。
よくあるサラウンド環境のステップアップで、
2ch(フロント2本のみ)
↓
3ch(センタースピーカーの追加)
↓
3.1ch(サブウーファーの追加)
↓
5.1ch(リアスピーカーの追加)
と、序盤に登場します。
(個人的には、先にサブウーファーの追加かも?!)
しかししかし、個人的な考えとしては、
「センタースピーカーっているのか?」
と、疑問を持ってしまいます。
先に結論から書きますが、
「音楽系メインなら、個人の好み。映像系メインなら推奨(*)」
(*必須ではない)
という、ややこしいスピーカーです。
映像系で推奨するのは、ソフト自体がセンタースピーカーありきで作られているものが多くあり、
それらのコンテンツの視聴には、威力を発揮するからです。
「なぜセンタースピーカーは、ややこしいのか?」
・音がデカイ
・置き場所に制限がある
スピーカーの中では、選択・セッティングが一番難しい。
導入したコトで、それまでバランス良かったのが、いきなり崩れることもあります。
その理由は、
「全てのスピーカーで、センタースピーカーの音量が一番大きい」
からです。
全部のスピーカーで100の音とすると、50ぐらいはセンタースピーカーからの音です。
音場のイメージとしては、■を自分とすると
15 50 15
■
5 5 5 5
と、音を受け持つ比率が高いのです。
センタースピーカーが無ければ、左右のスピーカーがメインで音を出します。
しかし、センタースピーカーが追加されれば、メインは一気にセンタースピーカーになります。
センタースピーカーが、左右のスピーカーに対し音の性質が違えば、
センタースピーカーの音が浮いてしまいます。
左右のスピーカーが「しっとりした音」で、センターが「乾いた音」だったりする場合です。
左右とセンターは、同じ音質のスピーカーで揃えたいところです。
ただ、ここにバランスが必要で・・・
私の場合は、以前は横長の空間で左右にデカいスピーカーだったので、センターにも大きめを使用しておりました。
しかし現在の環境に変わり、左右のスピーカーを小型に変更した時に、センタースピーカーがオーバースペックになってしまいました。
結局、センタースピーカーも入れ替えて、サイズを下げました。
(今のセンターに使用しているスピーカーは、3台目です・・・)
出来れば、左右と同じスピーカーか、少しだけスペックの高いスピーカーをセンターに使いたいところです。
さらに、「置き場が制限される」という問題が・・・
特に、テレビなどが前にあれば、必然的にモニターの下部か上側に設置するしかない。
どちらかと言えば、下部の設置になるのですが、テレビ下にスペースが無ければ、ラック内の設置になってしまう。
そうなれば、左右のスピーカーとの高さに差が発生してしまいます。
「なんか音が下から聴こえるなぁ」って感じ。
高さの差が発生すれば、音の水平感は失われます。
さらに、ラック内やテレビ下に置くためには、サイズの制限も発生します。
そこで推奨する「小型スピーカー」が、効果を発揮します。
「小型スピーカー」であれば、サイズの制限はクリアしやすいです。
上手く置ければ、テレビ直下にも設置は可能です。
ただし、合わせるフロントのスピーカーは、同レベル程度かそれ以下になるので、
必然的に「小型スピーカー」になってしまいます。
音質にこだわる人には、痛しかゆしの状態でしょう。
ということで結局、
センタースピーカーは、「有っても無くても良いスピーカー」
です。
センタースピーカーが「必要な場合」とは?
・映像系コンテンツがメイン
・左右のスピーカー間隔が広い
モニター映像に対し、左右からの音では、
「迫力はあっても定位感が無い」
と感じる場合は、導入するメリットはあります。
視聴する位置に対し、フロントスピーカーの左右が60°(正三角形)より広くなる場合、
センターの空間が開きすぎるので、この場合も導入するメリットはあります。
そういう意味では、
「大画面テレビとは相性が良い」です。
ここまで、「スピーカーは多いに越したことは無い」という内容だったのに、
ここにきて、「有っても無くても良い」では、混乱するかもしれませんが、
「それがオーディオの面白い部分」なんですよね・・・(笑)